Episode 3 Because I love you.
Prologue ルーク
ああまただ。
目の前で繰り広げられている光景を眺めつつ、俺は本日幾度めかのため息をついた。
俺の上司であるところのヒロ先輩とその友人であるところのショウさんが、些細なことが原因で口喧嘩をはじめたのだ。もう数えるのもうんざりするほど、お決まりのことになってしまっている。ああやって体力を消耗して、ふたりは飽きないのだろうかといつも思う。
ふたりの周りでは遠巻きにみんな、生暖かい視線を送りつつ成り行きを見守っていた。
だいたい、先輩も素直じゃない。もうちょっと考えてものを言えばいいのに。ショウさんもショウさんで、自分の主張を譲らないものだから、いつも大騒ぎになる。
でも、まあ。しょうがないのかな。ふたりとも似たもの同士なんだし。
いっそ、告白でもすれば丸く収まるかもしれないけれど、それはそれで苦労が多そうだ。巻き込まれるのは確実なんだから。
もういちど盛大にため息をつくと、そろそろ手が出そうになっているふたりを抑えるため、俺は立ち上がり――乾いた音が響いたことで、一歩遅かったことを知る。
Prologue ルーク
ああまただ。
目の前で繰り広げられている光景を眺めつつ、俺は本日幾度めかのため息をついた。
俺の上司であるところのヒロ先輩とその友人であるところのショウさんが、些細なことが原因で口喧嘩をはじめたのだ。もう数えるのもうんざりするほど、お決まりのことになってしまっている。ああやって体力を消耗して、ふたりは飽きないのだろうかといつも思う。
ふたりの周りでは遠巻きにみんな、生暖かい視線を送りつつ成り行きを見守っていた。
だいたい、先輩も素直じゃない。もうちょっと考えてものを言えばいいのに。ショウさんもショウさんで、自分の主張を譲らないものだから、いつも大騒ぎになる。
でも、まあ。しょうがないのかな。ふたりとも似たもの同士なんだし。
いっそ、告白でもすれば丸く収まるかもしれないけれど、それはそれで苦労が多そうだ。巻き込まれるのは確実なんだから。
もういちど盛大にため息をつくと、そろそろ手が出そうになっているふたりを抑えるため、俺は立ち上がり――乾いた音が響いたことで、一歩遅かったことを知る。