Egg Shell あらすじ 第三章

第三章
 姿を消したアキを心配していたリアリィはその時、メイを連れてシェルター内のエレベーターにいた。ハルを思うあまりに心を閉ざしかけていたメイは、もういちど問題と向かい合うためにリアリィに同道していたのだ。
 彼女たちが向かうのは、Egg Shellに隠された宇宙船のある中心エリア。閉じこもったままのアキやハルを連れ戻すためだった。
 しかし、電力のダウンによりその道を閉ざされてしまう。暗闇の中、彼女たちはエレベーターの導くまま、最下層へと降り立った。
 扉が開くとそこには、姿を消したままだったハルがいた。
 隠していた全てのこと――ハルの父が悪名高いかの「Dr.ウインド」であること、ファムを操り「解放計画」を打ち立てたのはそのDr.ウインドであること、それを知られたくないがために逃げてしまったこと――をメイに告白する。
 ようやくわだかまりが解け、気持ちを新たにしたハルは、今度は運命に逆らうために中心エリアへと戻ることになる。アキの説得を試みるリアリィもそれに続いた。
 ダウンした電力はヒロたちの努力の甲斐もありしばらくのちに回復する。しかし、完全に回復したわけではないその状況に危機感を抱き、ヒロは単身、問題のうごめくであろう中心エリアへ向かうことにした。

 一方管理エリアのショウたちは、広場に立てこもる叛乱者の対策に追われていた。
 このままでは何も変わらないと確信したショウは、周りのメンバーの反対を押し切って、叛乱者の説得に赴くことを決意する。
 広場にたどり着いたショウはEgg Shellの置かれている現状を語る。すでに外界との連絡は途絶え、待ち望んでいた場所はもはやどこにもない。それでもEgg Shellは全ての親たちの希望の卵として、未来を新しく紡いでいかなくてはならない、と。
 そのために、住民皆の協力が欲しいと訴えるショウだった。
 叛乱者の抵抗により危険にさらされるショウだったが、ショウの思いの強さ、決意に彼らの心も静まってゆき、叛乱に加わった住人たちもその矛先を収めた。
 混乱を鎮め、選ばれたものもそうでないものも気持ちをひとつにしてEgg Shellがまとまった。これから先の未来に向けて、希望を抱くショウたち。
 しかし、中心エリアへ潜ったヒロからの突然の通信により、それがかりそめの平和だったことが明らかになる。Egg Shellは突然の大きな揺れとともに、その構造を分解させた。
 崩壊により気を失っていたショウが、目覚めて気付いたもの、それはまさに惨状としかいいようのない光景だった。その中でショウは行方不明だった管理者・アキの帰還と、そしてヒロを始めとするその他の中心エリアにいた人間たちの生存が絶望的であることを知らされる。